【星野リゾート】星野さんとのお話
2023/11/08
みなさん、こんにちは。
今回は先月に宿泊していただいた星野リゾートの星野さんとお話したことを書いていきます。
まず、なぜWEEKに星野さんが宿泊されたかというと、神山まるごと高専のゲスト講師として来られたからで、星野さんに限らず、ゲスト講師の方がWEEKに宿泊されることは多いです。いつも貴重な機会をありがとうございます。
星野さんは日本の観光分野のトップランナーで個人的にとても尊敬していた方なので、宿泊をされると聞いたときから当日まで、どこか心がそわそわしていて、いろんな記事や映像を時間が空いたときにチェックしながら、気持ちの準備をしていました。
めったにない機会なので、少しでもお話できたらとか、でも時間ないだろうなとか、そもそも会えるタイミングがあるのか、などを考えたり、自分がどう行動するか、いろんな方に相談したり、頭の中でさまざまなシミュレーションをしていました。
迎えた当日、話すタイミングは朝食の時間、はじめの数秒が勝負と思いながら、星野さんがキッチンに近づいてこられたタイミングで『星野さんですか?』と話しかけ、無事に会話をスタートさせることができました。
はじめはあいさつと少し立ち話が出来たらオッケイと思ってましたが、とても気さくに対応していただき、自身の自己紹介から宿のこと、さらに今抱えている宿や地域のこれからの観光に関する課題感を共有させてもらい、アドバイスまでいただくという、予想の1000倍くらい贅沢な時間を過ごさせてもらいました。
〇宿の課題について
現状ある程度売り上げの上限が見えている中で、どのように次のステージを考えていけばいいのか、個人的に人は増やしていきたいが、固定費があがるので別事業などを考えていく必要があるのではないかという事に関して、
そもそもとして、ホテルの収益は、大きくは客室単価(ADR)×稼働率。そのため宿がどれだけ稼げるかは、稼働率に大きくかかわります。つまり、需要を増やしていくこと=稼働を上げることが、
収益が上がれば、
という感じのアドバイスを頂きました。星野さんが30年前に旅館を継承された当時の状況も伺い、どのようにやっていったかなど、ほんとにいつも映像で見てるようなトーンでアドバイスを頂けました。
個人的に、まずは自分たちの持っているものやできることの可能性や解像度をもっと上げていき、やれるところまでやり切る、という覚悟のようなものを頂いたような気がしています。
〇地域のこれからの観光について
観光需要を増やすには情報発信力が必要です。情報発信のために権限と予算を集中させないと成果が出てきません
多くの地域では、以前から継続して活動している観光団体がある一方で、
日本の大きな有名観光地にはスポンサーがいますが、スポンサーがいなくとも今はSNSがあるので、
神山は個別で面白い活動があるが、外から見て内側の横の繋がり分かりづらいです。それぞれの活動の情報発信に繋がりや統一感を持たせることで、そこに入った人がその関係性の中をめぐっていけると面白いと思います。
DMOをつくるというよりは、はじめは気の合う事業者同士でそういったことをはじめ、それに成果がついてこれば、参画す事業者はどんどんでてきます。
その後、地域DMO的なもの(海外のDMOのように予算と権限が集中している)をつくっていってもいいのではないでしょうか。DMOをつくる目的はあくまで予算(助成金など)の受け皿としてです。
というアドバイスもいただけました。なるほどと思いながら、今宿がやっているオープンデータの主旨は神山の観光のデータ化で、ゆくゆくはほかの事業者も巻き込んでいき、実際のデータをベースに観光についてみんなで協議していくことが目的だったので、すごく励みになりました。
また30年まちづくりをやってきたグリーンバレーはまさにDMO的な要素が強く、予算(はじめは自分たちの身銭)と権限(事業者、経営者)が集中していたからこそ、実行力や求心力があり、ここまでのことになったのかとも思いました。いつも思ってますが改めて先進的な存在だなと思います。
どちらの話もキーワードは情報発信で、でも、たぶん今自分が思う情報発信という概念は表面的なもので、もっと深い部分を学んでいく必要があるので、アンテナを張っていこうと思います。
という感じで、あっという間にチェックアウトのタイミングが迫り、夢のような時間は終わりましたが、来年もまた来ることになりそう、高専以外の場所でも講義の時間が持てるといいよね、今度はもっと時間をつくってくるよと言っていただき、個人的には頂いたアドバイスを1つ1つ行動に移し、1年後、経過を報告できるように頑張ろうというモチベーションがむくむくと湧いてきました。
あとでアテンドの方に伺ったところ、星野さんは普段、自社以外の宿泊施設には滞在されないようで(だいたいの地域にあるから)、宿泊されること自体が珍しいそうです。また、お話できる機会も本人がしたいときにするみたいな感じで、興味を持ってもらえて良かったなーと安堵しました。
この先の人生を考えたとき、確実に大きな点になるだろう時間で、自分が自分にとって影響力が強い人と交わることで起こる化学反応みたいなものを体感しながら、これからそれがどう作用していくのか、楽しみたいと思います。
星野さんありがとうございました。高専の皆さん、貴重な機会をありがとうございます。
※ブログは内容を星野さん自身にも確認していただき、加筆もしていただきました。公開の許可も含めありがとうございました。
※メイン写真は星野さんとケドさんと一緒に。僕がここに来る機会となった神山塾の話もして、とてもすばらしい取り組みですねとなり、たまたま別件できたケドさんも紹介できたという流れです。
※WEEKのサインボードにもサインしていただきました!ほんとに何から何まで対応していただき感謝です。
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