WEEK神山|新しい「いつも」に出逢う

芸術の秋。神山アート体験記

2023/11/02

こんにちは、美波です。
今回は、神山でのアート体験記について書いていこうと思います。

神山というと、KAIR(神山アートインレジデンス)をきっかけに町を知った方も多いのではないでしょうか。
KAIRとは、国内外からアーティストが集い、神山町内で滞在制作をするというプログラムです。1999年からスタートしているので、もう20年以上もこの取り組みが続いているのがすごいですよね。

今年も3組のアーティストが2か月前から滞在制作をしていて、10月29日(土)から寄井座や大粟山で作品展覧会が開催中です。

先日、私もWEEKの仕事終わりに行ってきました。


KAIRの影響もあって、神山はアートに対する距離感が近い人が多く、移住で神山に来られる方もアートを生業にしている方が多い印象です。

今までアートというと、美術館で鑑賞するものという認識の方が強くて、あまり身近なものではありませんでした。

でも、神山で暮らし始めてから、いろいろなアーティストさん、作家さん、作り手さんとお話する機会が増えて、私も実際にやってみたいと思うことが多くなりました。

その中でも、私がずっと気になっていたワークショップに参加してきたのでその模様をお届けします。

まず1つ目は、東條由佳さんのお絵描きワークショップ。

テーマは、「いろんな画材を使って抽象画を描こう」
withユイナちゃん、花ちゃん(WEEKで1か月インターンに来てくれていました)

その名の通り、いろいろな画材(オイルパステルやアクリル絵の具、マーカー)で自由に紙に書こう、という会。

最初にそれぞれの画材の特徴や、塗り方を実際に見せてもらいました。使う道具も塗り方も自由。絵を描くというより、“画材で遊んで、色をのせる”、という方がしっくりきます。

最初から、あまり躊躇なくみんな描き始めて、どんどん塗り重ねていきました。

何かに集中しているときの、ポツリポツリと始まる会話が私はとても好きです。絵を描いているときの会話や、塗り方、色の選び方にその人の個性がもろに表れていて、人と一緒に絵を描くのってとても豊かな時間だなと実感しました。そういえば、図工の時間が一番すきだったな、ということを思い出したり、、、。

あっという間に1時間半。

最後は、一回り小さい額縁を用意してもらって、自分のしっくりくるところを切り取って完成!

みんなの個性が出ています。

できた絵に題名をつけて、最後はみんなで絵を見ながらお話ししました。

一緒に絵を描くことで、その人の素が見えたり、考え方や目線が見えたり、改めて大人になってから、人と絵を描くことの楽しさを知ることができてとても充実した時間でした。

2つ目は、染昌さんへ。
こちらもwith花ちゃん。

ずっと行きたくて、タッキーさんとも何度かお話していて、やっと念願の草木染め体験に行ってきました。

ます到着してから、タッキーさんが工房とギャラリーとお庭を案内してくれました。

お庭には染料になる植物が自然に生えていたり、来年のための藍が植えられていたり。一つ一つ手にとって教えてもらったお話はとても興味深くて、私が気づいてないだけで周りに色の素になるものはたくさんあって、そういった身近にあるものから日常に彩りを取り入れることがひとつの楽しみなのだなと感じました。
庭に生えていたクサギ。花は赤いけど、鮮やかな青色の染料になるそう

染料の説明を聞いているところ

 

工房とギャラリーは、もともと豚小屋だったところを少しずつ手直ししながら作られていて、見ているだけで楽しい空間でした。時間をかけて自分の好きなように作っていく楽しさがありありと伝わってきて、私はこういう空間に興味が沸くな~と改めて感じました。

本題の草木染めへ。
今回は茜染めの体験をさせてもらいました。

私は手ぬぐいを、花ちゃんは手ぬぐいと持参した肌着諸々を染めていきます。
手ぬぐいは染める前に、絞り作業を。

輪ゴムやラップ、フィルムケースで好きなように絞って柄をつくるのですが、私は初めての絞り作業でなかなかイメージが湧かず、苦戦しました。

最後は、えいっ、と決めてしまって、染めた後のお楽しみ。

絞った手ぬぐいを茜の染液にひたして、薪で起こした火にかけていきます。火を入れながら、鍋の中でかき混ぜたり、ひっくり返したり、途中で薪割りをしたり、タッキーさんのこれまでの体験を聞いたり、音楽に合わせて適当に踊ったり、、、

そうこうして、温まった布たちを取り出して、
水洗い→ミョウバンで媒染→もう一度水洗い
そしてもう一度、茜の液につけこんでぐつぐつ。

それぞれの段階でガラッと色が変わっていく様がおもしろく、染める布によってもかなり色の差が出てくるので、次の機会にはいろんな素材で染めてみたいと思いました。

もう一度↑の洗いを繰り返したら、絞りを外して干して完成!

絞りを開けてみると、こんな感じ。

絵を描くとか、何かをつくる、とはまた違った染めの面白さ。次は藍の時期に挑戦したい!

ということで、私の最近の神山でのアート体験記でした。

神山では、こういう体験を非日常のエンタテイメントでなく、人との繋がりの延長線上で体験できるところがおもしろいなと思っています。

まだまだ芸術の秋を深めていきたいです。

11月2日 美波

 

 

 

 

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