井上陽人の自己紹介ブログ
2025/05/13
皆さん、はじめまして!2025年4月より WEEK神山で働いております。
いきもの担当 井上 陽人(イノウエ ハルト)と申します。
実は、2021年よりWEEK神山に関わってきました。この度は、既にお世話になっている方々、そしてこれから出会う皆様に、正式に入社した立場を踏まえ、改めて自己紹介およびご挨拶をさせていただきます。ご一読いただげると嬉しいです!
プロフィール
2000年生まれ。
岡山県南部に位置する早島町出身。
高校卒業までは岡山で過ごし、大学4年間は島根県松江市、大学院2年間は兵庫県豊岡市で生き物や自然環境に関する勉強をしてきました。
僕は幼少期より、生粋の生き物オタクです。小学生の時は鬼ごっこの誘いを断り、校庭のポプラの木の根元でアリジゴクを捕獲に熱中し、現在(24歳)では徳島市内でタニシを捕まえて笑顔になるといったオタクっぷりを魅せております。
2021年のインターンレポートの中で、僕には、【日本の伝統を受け継ぐための町づくり、景観保全をすると同時にその地域の生態系を守る】という目標があると述べました。この目標は、今も変わっておりません。
今回は、そのような考えに至った経緯、WEEK神山に就職し、これから何をしていくのかをお話させていただきます。
生き物観察と勉強を通して浮かんできた思い
私が小学生の頃の話です。
毎年の楽しみは、夏休みに行く祖父母の家での森林や谷川での生物採集でした。谷川では、サワガニや小魚を捕まえ、飼育・観察したり、時には唐揚げにして食べてみたりしました。毎日が小さな冒険で、ワクワクしていました。
サワガニ探しを中断させられ真顔ですが、内心笑顔です!
高学年になった頃、いつもの谷の川底がコンクリートで固定されてしまいました。人工的な環境となった「いつもの遊び場」から、あらゆる水生動物の数が減った現実に、どこにも発散することのできない憤りを覚えました。そのときから、「自然を守るための仕事をしたい」という漠然とした目標ができました。
その後、大学・大学院へ進み、生態学や地域との関わりについて勉強し、大きく3つのことを学びました。
1.自然や生き物を守るためには、暮らし(お金や人の動き)とのバランスをとることが大切であること。
2.多くの生き物は田んぼや畑、用水路などにも生息し、人の暮らしにうまく適応していること。そして、各種それぞれが生態系の中での役割があること。
3.生態系サービスの喪失(種の絶滅など)は、人に食料や医療などの面で大きなダメージを与えること。
今では、あの時の谷川のコンクリート工事も人の安全を確保するために行われたものだと理解できます。ただし、工事の方法1つで生き物に寄り添うことができることも知りました。ただ、私は工事ができるわけでもなく、生き物のためだけに生きていく覚悟もありません。
人間目線と生き物目線での暮らしの妥協点を見つけ、ともに考え、伝えていく仕事をしたいと思うようになりました。
なぜWEEK神山に?
WEEK神山は徳島県神山町にある宿泊施設です。
きれいな部屋の大きなガラスからは目の前を流れる鮎喰川を眺めることができ、まるで、自然の中に身をおいた感覚で過ごすことができます。
私がここで働きたいなぁと真剣に考えるようになったのは、環境はもちろんですが、WEEK神山の取り組みに面白みと可能性を感じたからです。
ここでなら、暮らしの中で自然や生き物の良さを伝える働き方を確立することができるのではないかと希望を抱いております。
上述した①のように、人の暮らしを無視して生き物を守っていくには限界があり、
各地域の人や企業が主体となって、自然環境に目を向けていく必要があります。
WEEK神山では、敷地内の石積みをコンクリートに頼らずに修復、目の前を流れる鮎喰川での川づくり活動など、自然・文化に根ざした活動が行われています。
石積みWEEK
川づくりWEEK
これらの取り組みを生物目線で評価することで、地域の人々や来訪者に自然の大切さや生き物の保全方法を共有することができるはずです。
また、神山町内ではスギ林を広葉樹林に変える取り組みや、町のシンボルである鮎喰川での環境学習や川遊び体験が行われています。
スギ林 ➡ 広葉樹林
小さな自然再生 in 鮎喰川
長年のまちづくりに伴い、移住や城西高校神山校、神山高専への入学に伴う人の流れが確保された今日、次はその町の人が住む環境(自然環境)に目を向け始める流れがあるように感じています。
町内外から多くの人が訪れる「宿」の特性を活かし、神山町の自然・生き物の良さや面白みを伝えていきたいと思います。
WEEK神山で今後取り組んでいくこと
□ 流域水族館
神山町内、徳島県内で採集した生き物を展示します。
鮎喰川に棲む生き物たち
また、皆様に生き物をより身近に感じてもらうため、町内の施設さんにも展示させていただきたいと考えております。
□ 生き物カフェ
毎週日曜日の12:00-15:00
生き物と触れ合い、自然を学ぶための「生き物カフェ」を開催します。
まずは、展示水槽の生き物をよく観察します。
それぞれの名前や生態系での役割を知っていきましょう!
次に、野生下で観察・捕獲を行い、どんな所に棲んでいるのかを解説します。
野外観察を通して、棲み処(空間)を把握し、生き物と共存していくには、どんな環境を残していくべきかという感覚を掴んでもらいたいです。
他にも、、石積みに棲む生き物探しや水田の生き物観察、ビオトープ造成なども行っていきたいと考えております。
これらの活動を宿だけで終わらすのではなく、様々な立場の皆様と自然に目を向ける機会を設け、生き物を軸に神山町内のつながりを構築・強化していきたいです!
最後に
みなさまの旅行の中に、生き物観察というアクセントを加えさせていただくことで、宿での滞在の楽しさ・満足度が上がったと思ってもらえると嬉しいです!
また、神山町内の皆様には、いつも見ている神山の風景のより深いところを知り、地元の誇りとして心に刻んでいただきたいです。
さらなる神山町の発展、次世代への自然の継承に貢献できるよう日々精進してまいります。
何か生き物を捕まえたらぜひWEEK神山に持ってきてください。
一緒に観察してみましょう!よろしくお願いします。
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