石積みWEEKを終えて【前編】
2021/02/06
みなさんこんにちは。
今回は先週の石積みWEEKの記録と振り返りを、写真を通して綴っていきたいと思います。
そもそも、なぜ石積みWEEK?ということですが、以前より神山ではよく石積みWSが開催されていて、そこで主催である石積み学校とつながり、現場を見にきてもらってやってみようということで始まりました。(ざっくりと)
詳しくは後編で書きます。
石積みWEEK(1/25~29)は、宿の周辺の石積みを空石積みの技術を使いWS形式で修復するという試みで、石積み学校の金子さんを招き、参加者を募って開催しました。
※石積み学校と空石積みの話は一般社団法人石積み学校 (localinfo.jp)よりご覧ください。とても面白い取り組みです。
今回の修復個所は2つ。
まず前半2日間で宿泊棟下の段々畑の3段目の石積みを直します。
まずはそれぞれ道具をもって現場に行きます。石積みの道具はつるはし(大と小)、くま手、げんのう(玄翁)、くい、てみ(石み)、しょうせんなど呼び名が独特で、名前と道具を一致させるまで時間がかかりました。
1つ目の修復現場です。全体的にかなり崩れていて素人目にはどこから何をしていけばいいか分かりませんでしたが、中央部分の石積みは残っているのでその両側を崩して直していくということで、なんとなく2グループに分かれ作業が始まりました。
石積みは積む前の工程が6割らしく、はじめは石を積む状態に持っていくため石積みを崩したり、土を掘ったり、根を取ったりしていきます。
土を掘って
バケツリレーで土や石を横に避けていきます。ここで大切になってくるのは“積むときのこと”を考えながら避けていくということで、どこにどんな状態で置いていくのか、イメージ力がいります。
なるべく近くに大きな石を置く、同じ形の石は集める、土の盛り方など、どの素材も重いのでできるだけ移動の負担を減らすことも1つの技術だなと思っていました。
徐々に土や石が取り除かれ
石を積む準備ができました。
お昼はWEEK食堂で、作業後にみんなで食べるご飯はおいしいですね。この日は海鮮あんかけ丼です。
午後からは石を積んでいきます。石積みで大切なことはグリ石(表面に見える石が置き石でその後ろに詰める小さな石のこと)をしっかりと入れること、石は2点で支えること、手前が高くなるようにすることです。(ざっくりと)
また石の形をパズルのように組み合わせようとすると作業スピードが一気に落ちるのと、形にこだわりすぎて石が選べなくなるという迷路に入ってしまうので、大きさや形などは最低条件を満たす程度で、リズムよく近くにある石を置いていくという感じでした。また石を置きやすいように削ったり、グリ石を使って向きや角度の微調整するなど、いろんな技がちらほらみられ勉強になります。ベストではなくベターというバランス感覚はどの世界でもありますね。
石の間にしょうせんを通して足場を作る。
高い段になるとこうして作業するそうです。徐々に完成が近づいてきました。
そしてついに・・・
完成です!! 約2日で見事に修復されました、素晴らしい!!!
修復前の右下の大きな岩もしっかりと組み込まれました。
また掘っていくと水がもれてくる箇所があったので、水路もつけました。
空石積みの技と人力と道具でこんなことができるということにとても感動しました。
2日目は午後から雨がぱらつき始めたので、母屋で金子さんのレクチャー。
過去の石積み現場の紹介やプライベートなどの話を聞く会になりました。
ちょこっと石積みレクチャー。
あとは金子さんのグーグルマップにピン付けされた、各石積み現場の写真を見ながら話を伺います。
面白かったのは西日本の石積みが多かったこと、沖縄や韓国の石積み、イタリアの石積みなど、石積みが点となって世界を描いていたことです。イタリアの石積みのある観光地の風景が愛媛の石積みの里の風景とそっくりだったり、地中海と瀬戸内海が被って見えたり、そんなイメージをもって各地で活躍されている地域のプレーヤーの方々がいるなと思いながら、なるほどなるほどと思って見ていました。
そんな心も身体も刺激が大きく、少し興奮状態で前半2日間は終了。
後半戦へと続きます。
続きは後編で!
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