『風景を考えるプログラムvol1』の振り返り
2025/03/23
みなさん、こんにちは。
少し時間があいてしまいましたが、今回は2月初旬に実施した滞在プログラム『風景を考えるプログラム』について振り返ります。
この滞在プログラムは、宿でやってきた“石積みWEEK”や“川づくり”などの取り組みの延長線上で生まれた『風景をつくる宿プロジェクト』(※ぜひ記事を読んでみてください)の公開合宿のようなもので、風景メンバーと集まった人たちで風景についての新たな視点を増やし実践していくというものです。
風景メンバーとやっているnoteでは、すでに合宿について各日ごとのレポートはできているので、詳細が気になる方はぜひ読んでみてください。
この記事ではダイジェストで振り返ります。
〇風景を考えるプログラム|DAY01|
合宿前に、樋口さんの食農教育のイベントで来られていたサゴタニ牧農の久保さんのお話を聞き、「ひとと牛がつくる風景」というものにとても影響を受けました。そこから合宿がスタートします。
初日は南さん(宿の大家さん)に昔の宿周辺の話を聞き、散策してみました。
伺った話は地図上に書き出していきました。
また、改めて「風景をつくる宿」とはどういうことなのか、風景とは何かということを深堀していきました。言葉の前後を入れ替えると、「宿がつくる風景」ということばになり、その主語を変えていくことで、人がつくる風景、牛がつくる風景、鳥、川、木など、一気にイメージしやすいものになってきました。いろんなものがつくりだす風景のバランスを見つけていくことがこのプロジェクトの軸なのかなと思い、そういった風景をよくよく観察,分析していこうと思いました。
〇風景を考えるプログラム|DAY02|
この日の午前中は翌日のWSの準備。破材を利用して木枠をつくっていきました。
午後からは、新たに手を入れていく土地の整備です。小さな木の伐根や、長い枝、蔦などをとったりしていきました。
だいぶすっきりしました。猪の影響で地面が凸凹しております。どう整備していくのか。。。
宿に戻ってからは、この日までにわかったの土地情報や、ここで出来そうなことをディスカッションしました。少しずつ土地の解像度が上がっていくのが面白いです。たくさん身体を使った1日でした。
〇風景を考えるプログラム|DAY03|
3日目は、長年にわたり神山の風景を研究されているSFCの石川先生をゲストに招き、風景の見方を拡げる2つのWSをしていただきました。その前に、先生が神山の風景の構造を説明する絵を描いてくれました。僕たちが普段ここで見ている風景は、中央構造線という億年単位の地球の活動のあらわれと、人々の毎日の営みが重なっていて、それぞれが連関して風景を形づくっているということを分かりやすく描いた絵で、目の前の風景と朝食がどのようにつながってくるのかがわかり、とても面白かったです。
WSの詳細についてはぜひnoteを読んでください。とても面白かったです。
先生と一緒に歩きながら、神山の地形やそこを構成するものを探し、おもしろがり、カタチにしていきます。
WSを通して、昨日までとまた違った視点で風景を捉えることができるようになった気がしました。石川先生ありがとうございました!
〇風景を考えるプログラム|DAY04|
4日目の朝は、手入れをしている土地の先にある三角州を見に行きました。地形的にも面白く、前の日に石川先生が言っていた地質の話の中の岩肌がまさに地層のようにみえるところがあり、みんなで1億年のランドスケープだと唸っていました。
その後は、上分の名という集落に行きました。地形が独特で、石川先生やレナちゃんが調査でお世話になっていたお宅へお邪魔し、昔の話を伺いました。
昔の写真。土地の使い方がとても参考になります。暮らしと風景がつながっていた時代で、とても理にかなっていると思いました。
他、いくつか集落を周り、宿に戻ってからは、この4日間で気づいたこと・今後行いたいことを話し合い、地図上に書き込んでいきました。参加してもらっている方にもさまざまなアイデアを頂き、まとまりきらないのですが、整理していきます。同時に今後の動きも少しずつ見えてきました。
最終日は、4日目に引き続き、合宿のまとめ作業です。アクションマップを作り、やりたいことと時間軸を合わせていきます。
何も決めきれないなかで、何をどうしていけばいいのか、手探りしながら1つずつやりたいこと、やれそうなことを図面に落としていきます。
ようやく『風景をつくる宿プロジェクト』の骨子がみえてきたように思います。
みなさん、お疲れさまでした。なんとか5日間を駆け抜けることができました。
ちょうど昨年の2月頃に始めた真田先生の『風景をつくるごはん』の輪読会がきっかけで、毎週みんなと話していくうちに、このような新しい風景への試みがはじまりました。これまで神山で行われてきたことの文脈や、自分たちがやってきたことのフィードバックをしながら、このプロジェクトでどんなことを生んでいけるといいのか、この合宿で、ようやくそれをカタチにしはじめたという感じです。
合宿前後ではかなり思考も変化しており、解像度もあがってきています。すでに次へのアクションもはじめていて、近々それも紹介できるといいなと思います。おもしろいのは気になって動いていると自然とその情報や人が集まってくることで、引き寄せの法則ではないですが毎日ワクワクしています。
とはいいながら、今年来年でどうこうではなく、長い時間をかけて、試行錯誤しながら進んでいけるといいなと思っていて、慌てず等身大を意識しながら大きな夢を重ねていきけたらとおもいます。