WEEK神山|新しい「いつも」に出逢う

【川づくり】小さな自然再生② in 鮎喰川

2022/09/17

みなさん、こんにちは。
今回は先週、参加したイベント『行こう、鮎喰川!』 川名人と遊び・学び・実践する2日間(小さな自然再生 in 鮎喰川)のその報告とフィードバックをしたいと思います。(前回のフィードバック【川づくり】小さな自然再生 in 鮎喰川

今回、川の先生たちは9月9日から神山入り、その日の夜はWEEKで食事と軽く交流会が開かれました。この地域の昔の写真や映像をアーカイブしている友人より、このあたりの昔の川の写真をいくつか見せてもらい、霞提やウナギの仕掛けの話などの話で盛り上がりました。写真1つでも見る方が見れば情報量がすごくあって面白かったです。(写真なし)

翌日は増水で予定してたプログラムが中止になったので、最終日に実践するいくつかの場所を下見していったそうです。(僕は同行してません)
WEEKにも立ち寄ってくれたので、ここでの取り組みや思いなどを話しました。
半年前にスタートしたばかりの自分たちの川づくりのことを、川の専門家の方々の前で話すというプレッシャーもあり、なかなか言語化できてない部分も多く反省は多いのですが、話すことで気づくこともあるし、いい機会になりました。(写真なし)

そして最終日はようやく実践となりました。
WEEKもフィールドの1つとして、川床磨きをみんなでやりました。
まずは川床磨きのことと、先月自分たちでやった場所の説明など。

そこからみんなで、浅い近場の岩や川床をごしごしと磨きました。※長雨の影響で川の流れが速く危険があったので、近場のみ。

金だわしやデッキブラシでごしごしと磨きます。

川床磨きは岩表面についた古い藻や苔などをおとし、あたらしい苔などを芽吹かせることで、それが栄養価の高い餌となり魚が寄ってきたり、川の中の環境を循環させるねらいがあります。(個人的素人解釈)
山に貯水力があり水量が多かった昔は、大水の時に川床がリセットされ自然にその循環が起こっていたそうなのですが、現在は大雨や台風などで大水になってもリセットされない場合もあるようで(実際今年の鮎喰川がそうであったように)、そこを人の手で出来る範囲でやるということらしいです。やってみてどんな変化があるか、観察していこうと思います。

もう1つ、リバーフロントの白尾先生より、藻レクチャーがありました。
在来種のクロモと外来種のコカナダモ,オオカナダモについて。

このあたりにいるのはコカナダモです。

レクチャー内容の共有はやめますが、陸の植物について、神山では選択除草という手段があり、そこにもつながる話(高田さんとの話で)で、陸と川とで考えると奥行きがありました。知ることで見える景色が変わり、行動することで未来の景色が変わる。人生と同じですべては繋がっているなーと想像が勝手に膨らんでいきます。とても楽しい時間でした。

話を本流に戻して、WEEKで他にやれることとして、川幅の拡大というテーマがでてきました。狭い川幅のところでは、川の流れでどんどんと真ん中の川底が削られていくみたいで、そのせいで川幅がさらに狭くなり、萱の面積が広がるようです。方法としては川幅を少しずつ広げ、併せて中央の川床に砂利などの石を入れることで、拡げることが可能だということでした。とりあえず一番狭い川幅のところでチャレンジしたいと思います。

午後からは神山温泉裏のふれあい公園の紫川で川遊び。石と人で作るバーブ工、地元レクチャーの伝統漁法、生物観察が主なテーマでした。詳しくは水辺の小さな自然再生より。

いろいろ面白かったのですが、あまり写真を撮れてないのであるのでいくと、井上くん(WEEKインターン2021で川専攻の学生)とうちの子どもが岡田さん(凄腕漁師)に投網を教えてもらっていたところ。

とても難しいみたいで、あまりとれなかったみたいです。

単純に子どもがうらやましかったです。

川から帰ってくる絵は仕事帰り感もあってかっこいいですね。

今回、参加して感じたことはめちゃくちゃあるのですが、やはり自分が川づくりでテーマにしたいことは“川を通して昔と今が繋がり、未来につなげる”ことなのだと実感しました。昔の写真や魚の捕まえ方や特性についての共有は記憶や体験からくるものが多いので、世代を超えてフラットに話せます。(石積みと似てる)

また、今回の気づきでは、川にかかわる仕事をしてる大人と遊びに来た子どもが川のことや生き物のことを通して触れ合えることがとてもいいなと思いました。川(自然)関係の仕事をしてる人って普段の生活だとなかなか出会う機会がないし、そもそも仕事というカテゴリーではかなりニッチな産業だと思います。(僕の社会の認識不足でもありますが)

だからこそ、こんな仕事をしてる大人がいるんだと子どもたちに体験してもらうだけで彼らの世界が広がるなーと。とってもマニアックな世界ですし、皆さん目をキラキラさせて(真剣に)、魚や昆虫についての話をされていてるのを見て、純粋に好きなことが仕事につながっていってると思えます。(その他の苦労は除きますが)

気づきはまだまだあって、人バーブ工では、バーブ工の傾斜角によってどこに負荷がかかり強度が変わるのかを身体で体験できたり、川の中に人が立つだけでそこに流れ(渦?)ができて川底が掘られること、川に足をつけながらのミーティングは五感が動くので、とてもクリエイティブなことなどなど。

人工的な社会では常に人がコントロールしやすいように設計されているので、人の力(お金や地位)で優劣が決まってしまうのですが、川(自然)の中に入ると、そこの環境(状態)が最も優先順位が高くて、天候や水流などに人間が合わせざるおえません。また、たぶんまだわかってないことも多くあって、子どもでも新たな生き物や現象を発見できることもいいのかなと思いました。(大人も子どももフラットに共存できる感じ。)

人の知識や経験も及ばないところに自然の魅力があり、頭で考える楽しさと身体で体験する感動があるのが自然遊び、学びのいいところだなと思います。人も生物なんだなーと確認できます。

とにもかくにも、とても楽しい時間でした。いろんなタイミングと縁が重なり、個人的に楽しく活動させてもらっています。つなげてくれたみなさま、ご一緒できたみなさま、今回もとても貴重な出会いや体験ができました。ほんとにありがとうございました。これからもよろしくお願いします!

2022.9.17 神先

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